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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年4月
ひとひらの雲が塔からはなれゆき世界がばらば らになり始む
折り畳み傘で造りの強い傘拡げて差して吹雪く道を行く
犀星は詩のなかにのみふるさとの輝きてをりとほくやさしく
まはだかのことばひりひりはきはきと「二度ととうさんとはあそばない」
緑道を黙って歩く父だった四月の霧をほおひげに受け
なきひとに会いにゆく旅ナトリウムランプのあかりちぎれちぎれて
あくる朝十八になる玄関の金魚はふっと縦に立ちたり
おもふさま隣の境越えて散る椿のあかき花おびただし
ないですって言っているのに渡されて脇にはさんで鳴るのを待った
航跡をのこしつつヨット進む見え若年の未来はた還らざる過去
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