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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2018年4月
月面に脚(あし)が降り立つそのときもわれらは愛し愛されたきを
友だちが来てテーブルをくっつける 新しいテーブルの大きさ
前足に遅れまじとてうしろ足けんめいうごく横長の犬
カフェラテの泡にたゆたう葉脈をひとくちごとに引きのばしおり
ガラス一枚の外は奈落の深さにて五十階に食む鴨の胸肉
ソファーに座りたるとき尻に触れしものあり声をあげて悔やめり
わが影に燕入りたり夕光(ゆうかげ)に折れ曲がるわが胸のあたりに
相槌を律義に打ちて馴(な)寄りくる生徒ありわれは何も与えず
あらくさにしんしん死んでゆける夏黄のフリスビーと毛深き地蜂
おびただしき水仙の白咲かしめてケアホームの庭 愛は片寄る
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