2018年12月のアーカイブ

寝たる手の届くところまで電灯の紐を垂らせば年は終りぬ

写真に忘れられた海岸をきみもまた忘れるだろう どこまでも道は

逢えばくるうこころ逢わなければくるうこころ愛に友だちはいない

わが指が日本地図を指してゆくそこに友だちが生きてると思い

「先生、吉田君が風船です」椅子の背中にむすばれている

木の周辺部は白太と云うが中心部は赤身と云える 魚のごとし

ユニクロに誰にもさわれない月の模様のシャツがあってもいいね

上顎に湧きあがりつつほどけゆくくしゃみの余韻、中庭に鳩

すべてを選択します別名で保存します膝で立ってKの頭を抱えました

家々にしずかなる松葉降り当たりうつくしき色、茶色というは

ネコかわいいよ まず大きさからしてかわいい っていうか大きさがかわいい

箇条書きで述ぶる心よ書き出しの一行はほそく初雪のこと

タンク山にのぼった、わたし、明け方の夢にあなたの顔をしていた?

帰ったら雑穀ご飯でも食べよ新宿代々木原宿渋谷

真夜中の電話に出ると「もうぼくをさがさないで」とウォーリーの声

今週会った人たちはみんないい人で土曜の夜は紅茶を飲んだ

樹木から樹木に移り肺のごと息づきてをり冬の時計は

花火した話を人にしているとときどき誰とと聞く人がいる

ローソンのバックヤードでくちづけをおぼえる子供たちによろしく

寒くなるほどさびしくなっていきやがるカレンダー薄っぺらな心め

シャツの胸に十円玉が透けている日差しの中であなたは使う

もう君の望むことしか言えないよ灰皿に落ちる無数の蛍

墓石にかけようと買つてきた水の、ペットボトルに口つけて飲む

ひと跨ぎできるつもりがやや高くいちど腰掛けてから急いだ

裏をかきに・いけない炎のまけない声のいけない炎の六花書林の

にしんそばと思った幟はうどん・そば 失われたにしんそばを求めて

月別アーカイブ


著者別アーカイブ