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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2020年4月
銀の燭かすかに吊し目覚めては寝いねては青き花食べにけり
キリストの生きをりし世を思はしめ無花果いちじくの葉に蠅が群れゐる
機関庫の春のさびしさ鳩さへも白き翅はね染むその炭塵に
時々、ひばりは空にのぼりゆき人間のすることを見るのです
刺青は沖に菫の色もてりはてしなく海にそそぐ雪片
ジャングルジムに少年たちがぎっしりと本を読んだりぶらさがったり
夏ははや生いきの労いたづき苦しむか交つがひたる蝶むなしきに舞ふ
隼人はやひとの薩摩の瀬戸を雲居なす遠くも吾はけふ見つるかも
百円で上下するのみの飛行機に乗りしよろこびも上質のもの
春の獅子座脚上げ歩むこの夜すぎ きみこそはとはの歩行者
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