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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2020年7月
道の辺に清水流るる柳陰しばしとてこそ立ちどまりつれ
先生が指さすものをドイツ語で、いす、りんご、カーテン、これは、風
玉藻刈る敏馬を過ぎて夏草の野島の﨑に舟近づきぬ
たましひにこゑなく行き場あらざるを午後の電車の窓に悲しむ
目の前のすべて可愛いものたちよパジャマの柄よいつかさよなら
始祖鳥の自由研究 ノートからはみ出してゐる翼の図解
手をあてれば幹の内より重なる手木の方がずっとながく寂しい
極彩の泥人形を掌に載せて……いと徐おもむろにとり落そうとする──
冬と春まじわりあって少しずつ暮らしのなかで捨ててゆく紙
ひろびろと夕さざ波の立つなべに死魚かたよりて白く光れり
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