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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2021年7月
風あれば動き日てれば光る草しやがめる吾に短かなる時
草の露ふくみしづかな秋虫のからだのなかで水はめざめる
トイレットペーパーの上の金属のやさしい
歪
ゆが
み 熱帯夜だね
君と君抱きあひたまへ酒杯置き月の光に射ぬかれながら
踵だけ靴から浮かし あのひととあのひとあわせてみたいと思う
削り氷に甘づら入れて金碗に入れたるを食むわが白昼夢
たはやすく人等たたかひを
誘
いざな
ひてその時にわれはすすみ死ぬべし
もっとやさしく言えばよかった猫のためあける窓より秋雨が入る
わが
室
へや
の机に肘つきてをりしとき
潮
うしほ
のごとく来にし夜かも
蟬虫の懸命一途さもあれよ巣に拠り蜘蛛の静けき殺気
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