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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
さいかち 真
おおおおお、お前は見たか百房のみのれる丘の公開処刑
戦力外と宣告するのは紺いろのスーツの男 お前は俺だ
老いづける歌の友らと白き酒飲みてほのぼのと語ることあり
家の具みなはこび去りたる此家にしまらく我は立ちて思へり
フェイクファーかすめた指にしみついて恋はいつでも冬の匂いだ
店頭に並ぶ無眼の目刺にもどどっと春の怒濤が甦る
犬の事情わたしの事情ゆうづつを仰ぐかたちで枯れ草蹴りぬ
黒々としげる樹海の遥けきにパンケトー・ペンケトー二つ湖
百八まで卿らは生きよ吾は間なく終らむといふ火酒また呷り
篁の奥に静かに湧く水の傷みを思う眠らんとして
みずうみを撃ちたるあとの猟銃を寝室におき眠る少女は
こころみに石をひろひて投げて見むねぶるが如し春の川水
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