コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2009年12月
亡き父のマントの裾にかくまはれ歩みきいつの雪の夜ならむ
寒波来て眠りの早き街遠く暴走族よごくらうである
十人殺せば深まるみどり百人殺せばしたたるみどり安土のみどり
メールでは加藤あい似のはずだった少女と寒さを分かつ夕暮れ
母たちは乳母車より手を放すセガンティーニの絵に見入るとき
みんな仕返しが大好き極月の戯(そばえ)きらきらこうずけのすけ
まぎれなく昨夜のわたくし其処に在り裂きたる紙のうち重なれば
ガス室の仕事の合ひ間公園のスワンを見せに行つたであらう
アンデルセンその薄ら氷(ひ)に似し童話抱きつつひと夜ねむりに落ちむとす
敗れたる國といへども涙ふきゐるをとめあり映畫館にて
投稿のページ送り
前のページ
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
次のページ