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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2013年8月
太初に言あり、言は神と偕にあり、言は神なりき。
学舎より眩暈(めまひ)をもちて見下ろせる冷泉家の庭つつじの火の手
野を奔るけものの肉を食むゆゑにいざべる長き赤き爪もつ
客去れば椅子を二脚にもどしゆくしろき陶片のごとき陽のなか
醜の國のメリケンばらと神國のわが皇軍を同じに思ふな
すでにして海の匂いをなつかしむ仕事へ向かう雨の朝(あした)は
今日の水は流れいるかと問う我に年々異なる者が答える
印章を売る店すぎてわれと子は思い思いの夕焼けに遭う
「シュッ、コロリ」などと謳ふを笑ひつつ買ひしがまことシュッ、コロリ死ぬ
新宿駅西口コインロッカーの中のひとつは海の音する
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