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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
抑え難く感情の動く二日三日椅子に突き当り階に躓く
わら灰をつくりて心しづまるを帰りし家に感じつつ居る
刈られたる男の髪の燃えつきて夜の集落に理髪店閉づ
扇風機うごきてさらにむしあつし電車に立ちてわが運ばるる
あやまりにゆくとき地図にある橋は鷗の声にまみれてゐたり
寝てきけば春夜(しゆんや)のむせび泣くごとしスレート屋根に月の光れる
顔といふからだのいちぶに自意識のすべてが集ふぶだうのやうに
むらさきの桐の花骸(はながら)を累々と敷きたるやうな夕雲にあふ
さよならをあなたの声で聞きたくてあなたと出会う必要がある
われ主流きみ反主流なかぞらの梢へだてて咲く紫木蓮
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