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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
ゆふがほの解(ほぐ)れるときのうつつなるいたみはひとの指をともなふ
ホ-ムラン打たれてがくりとつく膝の膝はやむなく意志に負けしか
僕はいくつになっても夏を待っている 北蠅座というほろびた星座
かつて祖父は資産運用に敗れたり古き通帳に雨の匂いぬ
灯台に風吹き雲は時追えりあこがれきしはこの海ならず
だらだらとのぼれば坂は美しい「武道館」とふ筆蹟(て)が見えてきて
おみなにはなき愉しみに髭撫でて近代という男の時代
おほははのなづきにしろき花ふれりことのはなべて喪はしめて
わたつみへ帰りてゆける道すがらワインとなりてわれに寄る水
雨に濡れ夜より深き色となるスーツを干せばリビングの闇
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