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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
「はえぬき」の炊きたてを食む単純な喜びはいつも私を救う
平原にぽつんぽつんとあることの泣きたいような男の乳首
初めより命と云へる悩ましきものを持たざる霧の消えゆく
話すほどねぢ曲がつてゆくさきゆきのあきらかなれど受話器を置けず
ぺらぺらと業界用語で喋りだすぼくなんだけど誰だこいつは
のんきさうに雲が通ると見てをればほとほとのんきな人とぞいはる
ああなにかとぐろを巻けるかなしみが夜の故宮にしづんでゐたり
一袋の苗を抱へて過ぐるときいつせいに木々の視線は降り来
覗(のぞ)いてゐると掌(て)はだんだんに大きくなり魔もののやうに顔襲(おそ)ひくる
パブロ・ピカソさんらんとして地に死ぬをありあけの馬は見て忘れけむ
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