コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
壮年期過ぎむとしつつ一人称「われ」といへどもはるかなる他者
木枯の生まれた海にゆくまでは文字はやさしい鍵だったのに
見覚えのあるコート着て長椅子に偶像のごとき妻ゐたりけり
いびつなる青きくわりんを黄にかふるおほいなる手よ悲しみの手よ
抱きあへる感触のみをのこしつつ夢のなぎさのレアリテあはれ
忘れるといふ美徳もあるをまつかなる木々らだまつてしぐれてゐたり
告げざりし心愛(お)しめば一枚の画布(トワール)白きままにて残す
刃を当てて剥きしなま栗円空のほとけの顔に似つつひそまる
海を見るような眼をわれに向け語れる言葉なべて詩となる
目のまへのちひさな駅がなくなると知つてみている白いコスモス
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
454
固定ページ
455
固定ページ
456
…
固定ページ
481
次のページ