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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
前田 康子
抑留に働きし炭鉱のブカチャチャ炭弟が輸入せるとふ奇跡
八月のまひる音なき刻(とき)ありて瀑布のごとくかがやく階段
人に語ることならねども混葬の火中にひらきゆきしてのひら
安物のパズルのような隙間あり この家にあるいはわたしの中に
しびれ蔦河に流して鰐を狩る女らの上に月食の月
いつだつて蛍光灯に照らさるるわれは浅蜊の殻より暗し
カサブランカのひらきはじめた部屋のなか繋ぎ目のない時間を過ごす
けし、あやめ、かうほね、あふひ、ゆり、はちす、こがねひぐるま夏の七草
顔あげて川と気づけり明るさは思はぬ方よりきてしづかなり
忍ぶ軒端(のきば)に 瓢箪(ひようたん)は植ゑてな 置いてな 這(は)はせて生(な)らすな 心の連(つ)れて ひょひょらひょ ひょめくに
ひとりぼっちに働かされている洗濯機 思案してより反転をする
再開発のビル建設は進められ古びつつある仮設住居(かせつ)を囲む
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