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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年9月
つぎつぎとフォルダに来るspam mailさむい鷗の群れかも知れず
人はかく大人にならむ はにかみて「Bonjour」と言ふ時期のみじかさ
障子戸がひらきむかしのいとこたちずさあっとすべりこんでくる夜
蟬脱のさまに飛行機の或部分ひらきしづかに車輪のいづるを
今夜どしゃぶりは屋根など突きぬけて俺の背中ではじけるべきだ
ドアを出づ、―― 秋風の街へ、 ぱつと開けたる巨人の口に飛び入るごとく。
涅槃図の鳥獣のごと野に立てばまた逃げ水の父あらはるる
逢ふといふはこの世の時間 水の上を二つの星の光(かげ)うごくなり
全うするとはいかなることかくれがたの防火バケツに降り込むみぞれ
身ごもりし娘と自転車を押してゆく祖師ヶ谷大蔵処々梅花盈(み)つ
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