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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年1月
鈴鹿嶺に雪ふりつみてはるかなる稜線はわがまなかいに冴ゆ
歌の作者を知るゆゑ配慮あるらしき批評も聴きぬ被災地の歌会
意志ぢやなく空気でうごく会議室ありぬ戸外におよぐ蘭鋳
たれか死に動かぬ電車にひとびとは顔をあげずにメールを打ちぬ
行けるまで行こうと夫とつれだちて幼のごとく新雪をふむ
旧姓と新姓われをつかひわけ旧姓のときのびやかにゐる
シクロホスファミドの袋を御守りのように思いき素人であれば
欠けそめてゐるをさらしてのぼり来し冬十六夜のさびしき面(おもて)
ベッド柵にローソンの袋を結わえてゴミ袋にして、ここにあなた、昨日あなたを吊ろうとしていた
卵黄を白パンをもて拭うときよべ見し夢を忘れてありぬ
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