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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
光森 裕樹
ひと憎むことほど易きことはなく松の針ふる下を歩めり
食ひ終へて食ひ飽かぬとぞわが母のわれを憎しむ目に力あり
生涯憎み続けるといふ一言をむしろなぐさめとして覚めをり
すがれゆくパルテノン多摩若すぎて憎まれるうちに教授になりたい
あさかげの今井美樹的東京を数度(すたび)おとなひ数たび憎みき
聡きことわづかに憎し主もたぬ犬さへひとを嗅ぎわけて寄る
しどけなく電車に眠る少年の微かにひらくくちびる憎し
愛告げてのちの夕映え 理科室に聞きくれし友を憎みはじめぬ
わが髭(ひげ)の 下向く癖(くせ)がいきどほろし このごろ憎(にく)き男に似たれば
夜の公園にポケモン探せと奨励せしこの世あまりに小さき日本
親にスマホもPSPも取られて良かった自由ですと日誌にあり
裾上げを待つ ストIIのデモ音がやけに響いているゲーセンで
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