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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
死者に逢ふ、ことだつてある……… 写真帖(アルバム)を繰るやうに街角を曲れば
哲学を卒(を)へしこころの青々と五月、机上に風ふきわたる
竹・藁・葦こまかく堅く編みつぎてここにもモンスーン圏に生くる者たち
どこへも届かぬ言葉のやうに自転車は夏の反射の中にまぎれつ
頬のつめたきはずのひとりをさがしつつ蕾のおほき庭を歩めり
この母に置いてゆかれるこの世にはそろりそろりと鳶尾(いちはつ)が咲く
木の匂ひ風がはこぶに銀漢の下に骨のなきにんげんの立つ
初夏の陽に青みてうかぶ種痘あとわれをつくりし父母かなし
丈三尺伸びし黄菊や管(くだ)菊やビンラディン生きて逃がれよと思ふ
遠くに立っていただいたのはよく視たいからだったのに しずかな径で
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