コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2014年3月
地球ごと電源が落ち液晶といふ液晶が鏡に変はる
水漬く屍と死ぬべかりしを生きつぎて穢汚の裡に在るが宜しも
「このシーン雨降らせよう」と監督そんな感じだ結句の雨は
信濃路に帰り来たりてうれしけれ黄に透りたる漬菜の色は
卵焼き上手にできてわつはつはつ一人笑ひのこころ謎めく
うちなびき春は来にけり青柳のかげふむ道に人のやすらふ
薄れゆく記憶のひとつ 雨の日は算盤の玉が重かつたこと
ま昼どき畳のうへにほうほうと猫の抜毛の白く飛びつつ
病院のゆかに眠れずをりをりに覗く夫も眼あけゐし
死の穢れなどといふものを落とすためわが身に人は塩の粒まく
投稿ナビゲーション
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
次のページ