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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2015年9月
いまもなほ左脚を軸に立ちあがる突撃に移るときのごとくに
百日紅のひかりのはだら地にゆれて忘れてゐたる約束ひとつ
赤ちゃんの産着を着せてゆくように新刊本をフィルムで包む
わが恋に汁椀ほどのみづあかりあれば朝夕机辺にひかる
二十五年勤めつづけて女たちまだ胸に飼ふ透明な鳥
声なきは静かな脅威蟻の群れにじつとりと昼を囲まれてゐる
秋空にさらすわが身は何物ぞこれっぽっちの裸おにぎり
一山をゆるがしすぐる風のこゑしましはやがてひそまりにけり
私の中の古さとあなたが言い放つものがやさしさなのです私の
むらぎものこころいこはずいくとし月すぎこしはてのこの疲れかも
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