あかり窓仰げばそらはTourquoisターキスの板もて張られその継目光れり 

宮沢賢治(『宮沢賢治全集3』ちくま文庫:1986年)

ターコイズ色の板をもって張られている空。そこには継ぎ目がある。継ぎ目が光って見えることでわたしに空は作り物めいて、しかしそれゆえにこそ魅力的に映ってくる。

「ウルトラマンA」に、青空をガラスのように割ってその向こう側から怪物(異次元超獣バキシム)がやって来る、という名場面があるが、それを思わせるような空の捉え方である。光っている継ぎ目から何かが出てきてしまいそうでもある。

空の捉え方が独特で、どこか恐ろしさも孕んだ童話の世界にも通じるのかも知れない。