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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2012年3月
たつぷりとみづ注ぎても焼けてゐる砂地かひとをまた恋ひてをり
生まれつきのことなんだから 凍ったりする 離さずにゆめの女の人のにおい
かつと燃えるウヰスキイの夏ぞら 弱々とたかくのぼらぬ煙突のけむり
紙ふぶき大成功の、安田大サーカスというひとつの星座
わが泣くを少女等きかば/病犬の/月に吠ゆるに似たりといふらむ
走れトロイカ おまえの残す静寂に開く幾千もの門がある
暴風雨(しけ)あとの磯に日は冴ゆなにものに驚かされて犬永う鳴く
円周に(指は潰れてしまったが)穴あけ回転木馬を降りる
樹(き)によりて物を思ひぬ、君去りて朽葉しづかに匂ふ秋の日。
シャボン玉まだ喜べる子がふたり 光の中に光が増える
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