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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2015年1月
冬の夜は風雪炎のあそびあり飼いならすべし死もまたあそび
たて笛に遠すぎる穴があつたでせう さういふ感じに何かがとほい
カポーティ―のお洒落短編読み終へていたく冷えたる鯖寿司つまむも
「新聞はとるのやめたの」親指と人差し指で画面広ぐる人
遠見ゆる白鳥三百ふつふつと流れ地上に白き波立つ
母の手が子どもをなでて眠らせるやうに雪ふり雪ふりやまぬ
をりをりの時雨さびしき能登境藺は植え並めて村のひそけさ
消印は二十世紀の冬の日で互いに今は届かぬ住所
雪炎は茫茫としてあかときの海もろともにひびきたるかも
本棚のむこうでアンネ・フランクが焦がれたような今日の青空
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