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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2018年6月
黙ることは騙すことではないのだと短い自分の影踏みながら
女子とかにほらって見せればモテるから小さな崖が体にほしい
カラオケでトイレに行き戻ればそこにあなたが歌うという空間がある
飛沫(しぶき)上げ光の中にはしゃぎたるわれのやさしき歌返してよ
全人類ひれ伏せわたしの背を越して子らが世界を見たがっている
マネキンの首から上を棒につけ田んぼに挿している老母たち
紙飛行機はいちまいの紙に戻るだろう このしずけさが恋であるなら
蝿はどの教室も好きじゃないけれど階段を下りられないのだろう
奥の歯に歯間ブラシを当ててをり真顔といふをつひに持たざる
存分に愉しみしゆゑ割れるのを待たずに捨てる緑のグラス
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