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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2019年9月
斎藤茂吉/のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳(たらち)ねの母は死にたまふなり
上野久雄/しずまらぬ咳にうずくまるときのまも消し難し白き逃げ馬の影
正岡子規/くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる
高橋元子/校歌にもうたはれてゐる松の木に松喰ひ虫の薬剤をうつ
佐藤佐太郎/避雷針するどく立てる街空をあたたかき硝子戸のうちより見をり
大森益雄/天の投網 弔ひの家越ゆるとき椋鳥千羽傾くゆふべ
長塚節/馬追虫(うまおひ)の髭のそよろに来る秋はまなこを閉ぢて想(おも)ひ見るべし
野村まさこ/最後まで話さなくていいカーテンに染みこませておく君の悩みは
佐藤佐太郎/薄明のわが意識にてきこえくる青杉(あをすぎ)を焚(た)く音とおもひき
麻生由美/部分点なくて一気にバツをするマルより強しわが筆勢は
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