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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2020年11月
いはれなく街の向うまで見えて来る さよならといふ語をいふときに
いい歌をつくろうとしていい歌はできないけれど生きやすくなる 逆もまたそう
おしぼりの熱を押しあてすべて目が見せるまぼろしこの世のことは
テレビ、つけると いまは怖くて いま庭に鴉が降りた黒光りする
蜘蛛の巣の枯れ葉のゆるるかたへ過ぎあゆみとどめつ何か忘れて
滅んでもいい動物に丸つけて投函すれば地震 今夜も
病苦より逃れんとしてキリストに触れたりし指どこまで伸びる
海に花手向けるときのくらさにて少女は抱いた子猫を放す
ある朝を思いつめたり足りなくて足りなさを過ぎて咽喉を鳴らして
雪月花いち時に見つ しろたへに死者には死者の未来ありけり
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