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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2021年7月
空晴れて近づく夜は見えざるに甲虫の飛ぶいたくさみしく
坂道を自転車おしてあがる間に東馬込一丁目の街灯ともる
電柱と塀の間をくぐりぬけパワーを出そう次のそれまで
はじまりは肺胞腫瘍あったかもしれない人生なんて今やろ
滝までの獣の道を走り抜けあの子は歌手になるのでしょうね
合掌のかたちに瓜の双葉出づ肥料袋の行灯のなか
体操服のままのこどもが弾いている音楽教室すずしいのかな
赤子という言葉を思う静けさのなかひたすらに赤を拭った
「夏苦しい」たった一言そう書かれたアルバム評を手に走り出す
打たれても鋼になれず仰ぎ見る月は乱麻の鎌ほどに鋭き
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