コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2022年10月
SOMETIME AGO 海辺 あなたの菫色の日傘が揺れていしが 戻らず
彼らは夏を逝きたり若き日の写真の顔をこの世に遺し
ゆっくりでいいからいわし、さば、ひつじ、迷わず秋の空へおかえり
夏青葉しげる木下をゆくときに傘打つあめの音とほざかる
ああ、博士 まるでひとりの島みたいどこまでも心が浜になる
紅葉葉の過ぎにし友よ 酒飲んで君の時間を仲間となぞる
束ねればきれいに見える花が好き 木枯らし一号吹く街をゆく
冷蔵庫の麦茶を出してからからと砂糖溶かしていた夏の朝
ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である
本当は声に言葉にしたかつた空を歌つてにごしたあの日
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
次のページ