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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
全身にゆきのにほひをまとひたるこどもがをりぬ。ほら、わたくしが。
ヒト以外ノモノノ生(シヤウ)ニハ使命有リ晩鴉(バンア)ノ夫(ソレ)ハ感傷ノ駆除
今年またわが門前の若ざくらひらくがあわれ天つひかりに
こわいのよ われに似る子が突然に空の奥処を指さすことも
セケン帝なる皇帝がいるらしいあの日の丸の赤の奥には
溶けあうものすべて溶けあいからみあう声が木馬のごと揺れるなり
冬牛蒡せいせいと削ぐ時の間も詩語ほろび詩となる言葉あり
眼路のかぎりみはるかす冬黄昏の地平どこまでわれらが地球(テラ)
おまえの世界に存在しない俺の世界のほぼど真ん中ガムを噛んでいる
寒へ向かふ季節(とき)にして軒の干し柿は含羞の粉(こ)を加へゆくなり
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