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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
マンホールの上を行くとき水音を聴きとめて「川なの?」と妻は訊きたり
かぎりとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり
日本人は刻苦勉励をこのむゆえ最終回にクララは歩く
夏にみる大天地(おおあめつち)はあをき皿われはこぼれて閃く雫
折り目よりちぎれゆく地図アラビアの海の青さをテープにとめる
蔽はれしピアノのかたち運ばれてゆけり銀杏のみどり擦りつつ
デスマスクとられしおそれ水無月の油なす闇に顔をひたせば
冬の医師とわれは思へり椅子ひとつ持ちきて夕べ白くゐるひと
てふてふのてんぷらあげむとうきたてば蝶蝶はあぶらはじきてまばゆ
けものらは滴(しず)ける闇に骨を解き冬の韻(ひび)きのとおく聞こゆる
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