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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
雨に濡れ夜より深き色となるスーツを干せばリビングの闇
稲妻が海を巨いなる皮として打ち鳴らしたる楽の一撃
あたらしき連れあひに媚ぶるマレー熊の映像見てをり愉快にとほく
「幽霊とは、夏の夜に散る病葉(わくらば)のことです」とその街路樹の病葉が言ふ
枇杷の花ひつそりと咲く停留所に待ちつつバスは死んだと思ふ
こないだは祠があったはずなのにないやと座りこむ青葉闇
然(さ)ういへば今年はぶだう食はなんだくだものを食ふひまはなかつた
うぬぼれていいよ わたしが踵までやわらかいのはあなたのためと
烏帽子岩あさひに光るここを過ぎわれの呼吸のふかく乱れむ
長き貨車だらんだらんと出て来たるトンネルのごと我が哭きおり
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