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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
光森 裕樹
人間の生まれる前は人間の生まれる確率0だつた星
鋪装厚き道にて人は行き交へり豊かに生まれうまれ継ぎつつ
死んだつてひとりぼつちだ生きたつてひとりぼつちだ世界は馬鹿だ
ぼくは流すやさしいオンガク空のほう人生のリセットボタンをおすとき
髪の毛をしきりにいじり空を見る 生まれたらもう傷ついていた
咳(しはぶき)不意に出る心地してああぼくは一千年を生きねばならぬ
6月の2日の朝に夏が来てあなたに会うので夏バテしそう
ヴェランダは散らかっていて六月の台風がもうじきやってくる
すずやかな空の青さで顔を洗う心地のあした七月となる
波とほく寄する耳鳴り 八月の雲が厚みを増してゆくとき
天からのサインが風に溶けてゐて諦めよといふ九月の朝に
十月の孟宗竹よそうですか空はそんなに冷えていますか
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