コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2009年7月
下山する日は近づけり立ったまま齝(にれが)む牛の目はふかみどり
十二月八日といふ日つねの如朝の散歩の途次の思ひに
しばらくはだあれも飛び込まないプール揺れつつ光受けいれていて
いつさいを告げたくきみと逢ふ街に初夏の陽ざしの匂ひうづまく
ふた流れ山の清水の落ち合いて互みの澄みを失わず行く
子のゐない夫婦(われら)はしづかな火を焚きぬオカメインコにチャオと名づけて
人工の川のほとりのくらがりで火を点さむと二人は屈む
夏ゼミの鳴き声達者七つ時うちで育ちし蟬と思えば
まよなかのメロンは苦い さみしさをことばにすれば暴力となる
ゆうぐれの電車静かにポイントを渡る今からおまえが好きだ
投稿ナビゲーション
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
次のページ