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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2014年4月
人去りし公衆便所の白きドア 開きたるまま日の暮れてゆく
あかげらの叩く音するあさまだき音たえてさびしうつりしならむ
空高く手を 人体はみづからの腋下に口をつけえぬかたち
みほとけ の うつらまなこ に いにしへ の やまとくにばら かすみて ある らし
何ひとつたくはへ持たぬ鳥の群身ひとつにて北へ飛び立つ
くわんおん の しろき ひたひ に やうらく の かげ うごかして かぜ わたる みゆ
ブロッコリーの花を咲かせて生けている米寿の母のふしぎひろがる
ゆく春や とおく〈百済〉をみにきしとたれかはかなきはがききている
散髪を終へたる頭持ち歩き何かひらめく寸前にあり
草原を駈けくるきみの胸が揺れただそれのみの思慕かもしれぬ
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