2015年05月のアーカイブ

学歴は二の次にして腕力でモテるひとたち 獅子、カムヒア

円満の秘訣は一割言はぬこと 南瓜の種を匙で抉りぬ

天国の求人票をまき散らし西瓜畑へ遊びに行こう

下の子をほめれば上は寂しさうきやうだいは皆カインとアベル

彗星のほろびつつ曳く長き尾のながき一夜をあぢさゐ白む

一週間お疲れ様のご褒美に一人で過ごすスターバックス

半夏生しらじら昏れて降る梅雨に母は病みこもる父と老いつつ

ユトリロの白き鬱もて立てる樹々白樺冷えて湖にゆらぎつ

十楽の賢しく白き花咲きて江戸町裏の女ありしか

白色の絵具ばかりを買ひ足してゐた頃のこと雲を見ながら

頭から洗いはじめたるわれを不思議なにんげんという

勝ちたるは寂しきことと語りたる棋士は晩年ますます強し

筑波根の新桑まゆの糸なれや心引くよりみだれそむらん

エボラ熱隕石のごと降り来たり村人は死に菌も死にたり

危き足に走りゆく者なり追ふ勿れ笑ふ勿れ影を見送れ

みづいろの楽譜に音符記されずただみづいろのまま五月過ぐ

夜半の雨しずかに心濡らすとき祖母たちの踏むミシン幾万

わたくしのまはりを飛ぶな 鱗粉に指よごしつつ蝶を煮てゐる

ほととぎすけはしき声を吾が聞けば竹負ひてよろめくをあざ笑ふにや

雲雀料理の後にはどうぞ空の青映しだしたる水を一杯

夕かけて双子の山にゐる雲の白きを見れば春たけにける

宇宙飛行士山崎直子さん美容院にてその黒髪を提供したり

万葉の窓を開くればにぎはしき野のさへづりや大宮人の声

パンダ館の横にわが家の冒険王父を睨んでわつと泣き出す

全速の自転車に脅え日日あゆむこの街に来てはじめての夏

白抜きの文字のごとあれしんしんと新緑をゆく我のこれから

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