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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
なほざりに山ほととぎす鳴きすてて我しもとまる杜の下かげ
おもちゃ売り場の階までのこと階のこと記憶のどこをあたってもこわい
何にしろ今のままではいられない遡上する鮭の群れに加わる
寺院シャルトルの薔薇窓をみて死にたきはこころ虔しきためにはあらず
行き先の表示つければそこまでは行くバスに身を任せたり
ひとり きて しま の やしろ に くるる ひ を はしら に よりて ききし しほ の ね
なかなかに 鳥けだものは死なずして、餌ばみ乏しき山に 聲する
花くたしいたくな降りそ新墓の猫の柔毛に滲みやとほらむ
さびしさの単位はいまもヘクタール葱あおあおと風に吹かれて
春の岬旅のをはりの鴎どりうきつゝとほくなりにけるかも
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