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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
つまらなき世辞をさびしみ樹を下る一匹の蟻をわれは見ていき
したたれる蒼さするどさ受けながら身はつくねんと秋空に向く
背中から十字に裂ける蝉の殻 生きゆくは苦しむと同義
ふかぶかと背に包丁の入りしときびくんといさなの尾が跳ね上がる
白桃の和毛(にこげ)ひかれり老いびとの食みあましたる夢のごとくに
夕皃(ゆふがほ)の花しらじらと咲めぐる賤(しづ)が伏屋に馬洗ひをり
なにとでも呼べる気持ちの寄せ植えにきみの名前の札をさしこむ
このごろは近視がすすみ裸眼では生徒の群れがゲルニカに見ゆ
心強く生きがたきかな晩夏光輝く茄子の畑にゐたり
少年はあをきサロンをたくしあげかち渡り行く日向(ひなた)の河を
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