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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年1月
河豚刺しを皿より箸に剝がしおり弔辞少しく褒められて来て
誰がせし〈歌のわかれ〉か書き込みの多き歌集が箱で売らるる
ゲットーの四角い窓から降る雪をみているもうすぐ永遠に留守
あづまののけぶりのたてるところみてかへりみすればつきかたぶきぬ
何ぞ背後に燃やす画面やほれぼれと聞き取り易き移民の英語
曇天に赤きアドバルーン浮き上がり「つひのすみかがお買ひ得です」
ヨーグルトかきまわし白で白覆う とりかえしつかぬことはもういい
くちびるに迫る夕日のつめたさを海に告げたり海はわらふも
いきなり父は十露盤(そろばん)を投げつけつ歌などいぢりのぼせてをれば
居酒屋のほかげにたちて賤の男がかぞふる銭に雪ふりかかる
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