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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年2月
いつのとき遂げんひそかなる冬の旅花しげき三椏を幻として
冬椿、手ふれて見れば凍れるよ、我が全身ををののかしめて
夜半の湯に肉塊のわれしづむとも地球はうかぶくらき宇宙に
外(と)にも出よ触るるばかりに母のゐて教へたまひしやしやぶしひかる
肩を落し去りゆく選手を見守りぬわが精神の遠景として
去年の冬のわが知らざりしわれとして来て蠟梅の香(かう)にまじりぬ
列なりて入国審査待つ人らこの国の外にはみ出しながら
夥しき未知の箪笥の育ちゐる林と思ふ雨水の午後に
生きがたき世と思ふ夜半開きたる丘(きう)の言葉もやせがまんなる
はくれんの花閉ぢかけて閉ぢきらぬ春宵ながく返事を待てる
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