2018年02月のアーカイブ

生理中のFUCKは熱し/血の海をふたりつくづく眺めてしまう

恋ですよ 芋の芋まで掘り起こしありったけポテトフライにしたい

日本中八十円切手で行くのかと訊きて息子の電話切れたり

君にしも遠ざかれるかあまりにも近づきたるか夢にうつらず

星なのか東京なのかわからない深夜の窓に遠くを見れば

鳥ならばずっと飛ばずに嘴で何かを伝え合っていたいよ

薄暮光けふは世界に触れ過ぎた指が減るまで石鹸で洗ふ

死にいたる瞬間(とき)までつよくやくされし首さながらに ああ はるがくる

あの人が住む方(かた)より吹く風なれば風吹くだけで腫れる唇

背をのばし歩かうとしてさびしいな袋のやうな身体をはこぶ

何をしていても過ぎゆく風景に蝶番あり時折ひらく

鯉がいて、立ち止まったらそれらしい速さで鯉は流れて行った

茸、セロリ、豆腐など手に持つわれがわづかに冷ます白日の都市

ガードレールに白く汚れた手のひらを黙っておくということ罪は

まだきみに何か期待をよせていて崖の間際の街くずれそう

体調のすぐれぬ妻に付きまとい世話をしたがる息子を叱る

クリスマス・ソングが好きだ クリスマス・ソングが好きだというのは嘘だ

わたしより年上の馬世におらず今年も坂道(ここ)に木漏れ日がある

小松菜が値引きをされて横たわるかたわら過ぎてふと立ち戻る

たまり水が天へかえりてかわきたるでこぼこの野のようにさみしい

人間のふり難儀なり帰りきて睫毛一本一本はづす

怒るより先に悲しくなる人はうつむいて咲く花 みずいろの

逆になりふたたびはじまることさえも砂時計に似た裸体を抱く

体から恋の抜けゆく感じせり雪降り初(そ)めし窓をひらけば

月別アーカイブ


著者別アーカイブ