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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2018年10月
きさらぎの雪にかをりて家族らは帰ることなき外出をせよ
人のために使ふことなしひと月を流れていきしお金を思ふ
なんと俺、短い名前がだいすきで「手」と名乗る女の胸を揉む
おびただしい黒いビーズを刺繍する死よその音を半音上げよ
薔薇色の馬ゑがきたるワンピース着たるをみなごちちははを捨てよ
たてがみに触れつつ待った青空がわたしのことを思い出すのを
秋分の日の電車にて床(ゆか)にさす光もともに運ばれて行く
たてがみに触れつつ待った青空がわたしのことを思い出すのを
降圧剤一錠を嚥む夕まぐれ 五階まで来た蟻を祝へり
白き雲流れゆくなり 雲梯を這って渡ったこと一度ある
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