コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2018年11月
駅で見た猫の写真がこの町のすべての猫の始祖だと思う
もみぢいよいよ燃えて一切まにあはぬ我のひと日を笑ふうつくし
梟(ふくろう)に禁じられているごとし女同士でテニスすること
おーい列曲がつてゐる、と言ひかけて 眼閉ぢれば春の日はさす
さらさらさらさらさらさらさらさらさらさら牛が粉ミルクになってゆく
シラバスの重さなつかし学生が春のベンチで履修に悩む
いかなるものをも置かぬ斎壇となりたり暮るる野の地平線
夢見ずにねむり足りたるわれの身は檸檬をしぼるちから出だせり
どのレジに並ぼうかいいえ眠りに落ちるのは順番にではない
したたかにその身を打ちて自販機の底に気絶の缶コーヒー取る
投稿ナビゲーション
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
次のページ