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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
一ノ関 忠人
雪しろの はるかに来たる川上を 見つゝおもへり。斎藤茂吉
今日の夕日はいたく重たくうす黒くビルの背後に墜ちてゆきたり
春畠に菜の葉荒びしほど過ぎて、おもかげに 師をさびしまむとす
かくばかり 世界全土にすさまじきいくさの果ては、誰か見るべき
三十年経て生々しこの家に充員召集令状を夜に携へき
放課後を纏はり来ては酸漿を鳴らす子ありきいま如何にある
空蝉の毀誉褒貶にとらわれず一日一日をじわりと生きむ
夫はたぶん知らないだろう抱きかかえるように拭きます便器というは
数ふれば二万五千日を越えてをり君にわかれしそのかの日より
白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ
しみじみとけふ降る雨はきさらぎの春のはじめの雨にあらずや
ちと一本拝借するぜ蕗の葉を傘に旦那は雨の花街
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