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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
井上 法子
すこしずつ花の領土になっていく家のかたちを思い出せない
ほのほだけをあなたに渡す茶番でもまぢでやるから楽しい、死後は
指紋なまなまと皆生きをらんこの夜ダリアがうつくし過ぎる
責めるとか許すとかいふのもちがふ 馬肥ゆる秋 だから忘れず
手を放すたびに思うよこの街で花束になる花のすべてを
あけつぱなしの手は寂しくてならぬ。青空よ、沁み込め
全盛期でした、わたしの ね、あの日贈った鳥は燃やしましたか?
妖精期そして霧散期 私から言葉にできるのはそれくらい
きみが十一月だったのか、そういうと、十一月は少しわらった
反り深き橋のゆうぐれ風景は使い込まれて美しくなる
木の思ひ恐ろしきまでまつかなる葉にありただに散るのみなれど
王国の猫が抜け出すたそがれや書かざれしかば生まれざるもの
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