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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2012年4月
さよならをあなたの声で聞きたくてあなたと出会う必要がある
われ主流きみ反主流なかぞらの梢へだてて咲く紫木蓮
愛すべき冥王星の小ささを誰も言はなくなりけり誰も
人間の生膽(いきぎも)を取る世となりて紅葉(もみぢ)の錦神のまにまに
花の散る速度と競ひ音階をのぼりたりわが少女期のカノン
驟雨に濡れし鉄骨の乾く時われは感情の処理にとまどふ
ムービングウォークの終りに溜まりたるはるのはなびら踏み越えてゆく
凍てつきし地(つち)に正午の光澄みものの象を残しつつ溶く
春の日のななめ懸垂ここからはひとりでいけと顔に降る花
ヒヤシンス薄紫に咲きにけりはじめて心顫ひそめし日
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