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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
桜散る川沿いにひと群れながら私たちみな川の見る夢
焼け原のはてに かすかに浮かびゐし、幽鬼のごとき 富士を忘れず
口角を上げて笑へと書かれゐる接客マニュアルのさびしき笑ひ
ながらへて
八十
やそ
の命の花あかり。老い木の桜 風にさからふ
夢の中ではジャズピアニストのものだった指で洗濯物をあつめる
生まれきてかへりみるときてのひらに菫の花の重たかりけり
採血車春の車道に横向きに驟雨のなかのわれをいざなふ
人が人を呼ぶ声高くさびしさの根源のように窓は開きぬ
白き紙いちまいの
上
へ
の花の種子げにひえびえと古代文字ならむ
菜の花の黄のかがやける丘にゐる老いらを訪ぬわれを待てれば
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