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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
春の日のななめ懸垂ここからはひとりでいけと顔に降る花
ヒヤシンス薄紫に咲きにけりはじめて心顫ひそめし日
叫喚の声なきこゑの空ゆくと空みつるさくら仰ぎつつをり
おどろきて歩み逃げ去る丹頂は頸さし伸べて描かれにけり
ふとからだ軽くなりたるゆふぐれをさくら樹が産み落とす花びら
連続通り魔出没せしとふ路地の辺にうち捨てられたる扉(ドア)いち枚
メガバンク、メガバンクとぞ囁きて歯ならぬ桜咲き満つる国
氷塊に映りておれるわがからだ輝く鋸(のこ)に引かれはじめつ
はれやかな空調あればこの春の気配は消えてひとり来ている
雨ゆゑにブルドーザーが休む日の地表いまだけ本音のにほひ
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