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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
ひいやりと猫過りたり元号に先帝の死後の時間を数ふ
ささやかな歌創るより忙しき一記者のわれに没頭せむとす
モデルハウスの扉(ひ)を鎖(さ)し出づるこの街の真偽おぼろに暮れそめむとす
この口は夏の蝉よりくりかえすどんなにあなたにみにくいだろう
緑蔭に〈不生不滅(ふーしやうふーめつ)〉蝉しぐれ妻と浴びをり〈不垢不浄(ふーくうふーじやう)〉
わたくしの絶対とするかなしみも素甕に満たす水のごときか
真夜中の鉄棒に手は見えざれど誰(た)が握力か残りてゐたり
朝おきて泡たてながら歯をみがくまだ人間のつもりで俺は
灰色の空に黙(もだ)せるNIKORAIの黒き円屋根(まろやね)われも黙せる
我の所掌となりし機密の書庫の鍵に赤く小さきリボン付け持つ
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