コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
アンデルセンその薄ら氷(ひ)に似し童話抱きつつひと夜ねむりに落ちむとす
敗れたる國といへども涙ふきゐるをとめあり映畫館にて
妻の手紙よみつつおもふ互(かた)みなる吾の手紙も悲しからんか
冬という季節がわれに大げさな息をさせたり向かい合うとき
モニターにきみは映れり 微笑(ほほゑみ)をみえない走査線に割(さ)かれて
さやうならとは永久(とは)に人語よわれは人間(ひと)青天に愁ひなきこゑをききとむ
雲などが流らふるよと見て居るに全身をかけて子に頼らるる
冬の欅勝利のごとく立ちていむ酔いて歌いてわが去りしのち
初老なる父が紅葉す陽に焼けし木の実ひとつぶ懐に抱き
耄(おいほ)けてぬくもりがたき床ぬちに入るるを思へはだか童女(わらはめ)
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
443
固定ページ
444
固定ページ
445
…
固定ページ
473
次のページ