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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
井上 法子
人界に巣をつくりたるせっかちな山鳩こんなにさびしい聲で
問わざるに海岸線へ目を移しあはは、あははは 屈託もなし
生い立ちは昏いほそ道ふりむけばどうと銀杏の葉が散っている
あえぎつつ貨車くろぐろと出で來るトンネル口のもみぢ葉の色
森を歩す、新秋を歩す 美しき言葉のありていま月を歩す
はや葉月 街のはなやぎ運び来る友の日傘はまぶしすぎるよ
しろがねのミニカプセルに納めたる人生ゲームの棒に似た遺骨
もうざふきんみたいになつてわたくしのすこし上手に眠れよこころ
美しい静けさはあり懐かしさかもしれないといいて頷く
大雷雨すぎたるしじま小鳥らの喉の渓流しぶきはじめぬ
もう一度踏まえたうえで介入を クルトンはもう違う食べ物
棄てるのにちいさなレジ袋を買って棄てるまえにちいさくおりたたむ
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