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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
井上 法子
炭酸を吐きっぱなしの炭酸水もとの暮らしが戻るってなに
夕ぎりに見えわかねども松風の音するかたや湊なるらむ
死なばまた夏にかへらむ卓上に薄氷のごとき皿並べゐつ
わが妻の死ににしことも羽ばたきか花みずき眼にいりて擾乱
ひとひらをひとひやしなふ陽光を瞑りおもふに薔薇もまた星
幸せだ!バスが涼しい!幸せだ!バスが涼しい!バスが涼しい!
弱いもの順に腐ってゆくことの正しさ 夏はあまりにも夏
さかなへんの字にしたしんだ休日の次の日街できみをみかけた
その頬は夜空あおぞらうつす頬 いらないよ、一輪挿しの言葉は
ふかづめの手をポケットにづんといれ みづのしたたるやうなゆふぐれ
走りながら渡されて笑いながら受け取る凧を柄にもなくたずさえて
花と骨、ともに描かれ砂漠にもわたしにもある泉をさがす
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